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ゼネコン等の施工管理技士はセカンドキャリアに解体工事がおすすめ

更新日時 2026.05.20 カテゴリー
  • 資格・技術・キャリアアップ
ゼネコン等の施工管理技士はセカンドキャリアに解体工事がおすすめ

ゼネコン等で長く活躍してきた施工管理者のセカンドキャリアとして、解体工事の現場は有力な選択肢になり得ます。

新築や改修で培った工程管理、安全管理、協力会社との調整スキルは、建物を壊す現場でも重宝されるためです。

資格や管理経験が評価される求人を選べば、50代以降の転職でも、希望する条件や働き方が見つかるはずです。

ゼネコンの経験が解体現場でどのように評価されるのか、仕事内容や収入の変化についてお伝えします。

目次 非表示
1 施工管理技士のセカンドキャリアに解体業界が合う理由
1.1 ゼネコン経験の工程管理を転職後も活かせる
1.2 安全管理と協力会社の調整経験が評価されやすい
1.3 50代や60代でも管理側の役割を作りやすい
1.4 1級建築施工管理技士などの資格が評価されやすい
2 ゼネコンの現場監督経験は解体工事でも求められている
2.1 工程、安全、品質を管理してきた経験は解体工事でも重宝される
2.2 近隣対応と搬出調整では現場を回す力が問われる
2.3 ベテランの記録、伝達、調整力も評価される
3 ゼネコン等での施工管理から解体工事へ転職する前に知るべき違い
3.1 解体現場特有の作業の流れ
3.2 アスベスト、建設リサイクル法、産廃管理の基本
4 施工管理技士が解体業へ転職した場合の収入と待遇
4.1 必ずしも収入アップにつながるとは限らない
4.2 ワークライフバランスに優れた求人が多い
5 解体工事の施工管理求人を見るときの3つのポイント
5.1 資格や経験が給与に反映されるか
5.2 任される現場規模と管理範囲が合っているか
5.3 無理なく続けられる働き方か
6 まとめ

施工管理技士のセカンドキャリアに解体業界が合う理由

解体工事の現場では、施工管理を担える人材が慢性的に不足しています。
特に大手ゼネコンからの依頼で行われる大規模解体工事の現場では、ゼネコンで培った管理経験が豊富な人材が求められています。

解体工事は、ただ壊す仕事ではありません。
工程を読み、安全を守り、分別と搬出を整え、関係者をまとめる仕事です。
建築や土木業界の施工管理技士が長年積み重ねてきた現場判断は、解体という特殊な環境下においても大いに役立ちます。

ゼネコン経験の工程管理を転職後も活かせる

解体工事では、手壊し、分別、重機解体、搬出、清掃の工程があります。
職人や重機、搬出車両の動きを見て、工程の遅れや危険を迅速に拾う力が求められます。

ゼネコンで工程表と現場の進捗を管理してきた経験があれば、解体現場でも段取りの遅れを的確に把握し、迅速に軌道修正の指示を出せるはずです。

安全管理と協力会社の調整経験が評価されやすい

解体工事会社が施工管理技士を見るときは、以下のような、任せられる仕事の範囲に関わる力量を重視します。

  • 工程の遅れを早めに見つける力
  • 協力会社の動きを先読みする力
  • 安全設備や作業手順の弱い点に気づく力
  • 施主、元請、近隣住民へ落ち着いて説明する力
  • 若手技術者へ現場の見方を伝える力

肩書きや前職の会社名だけでなく、工期通りに無事故で現場を納めてきた実務経験そのものが評価されます。

50代や60代でも管理側の役割を作りやすい

建設業では担い手確保が大きな課題です。
厚生労働省と国土交通省の発表では、建設業の技能者のうち60歳以上が約4分の1、29歳以下が約12%とされています。

引用元: 厚生労働省「建設業の人材確保・育成に向けた取組」

このデータは、解体工事業だけの不足を示すものではありません。
それでも、建設業全体で技術承継や人材確保が課題になっていることは読み取れます。

そのため、50代や60代であっても、現場の最前線で的確な指示を出せる人材は即戦力として多くの企業から求められています。

1級建築施工管理技士などの資格が評価されやすい

国土交通省の資料では、解体工事業の技術者要件に、1級建築施工管理技士や2級建築施工管理技士の一部が含まれています。
具体的には、1級建築施工管理技士は解体工事業の監理技術者等の要件に関係し、2級建築施工管理技士では「建築」「躯体」が主任技術者等の要件に関係します。

引用元: 国土交通省「監理技術者又は主任技術者となり得る国家資格等」

また、解体分野には「解体工事施工技士」という資格もあります。
これは、解体工事業における主任技術者等の要件に関係する資格として位置づけられています。

引用元: 国土交通省「新たな解体工事の技術者資格について」

このように資格区分が一部つながっていることから、建築施工管理で得た資格や現場経験は、解体業へ転職する際にも即戦力として評価されやすい要素になります。
ただし、2級建築施工管理技士の「仕上げ」は、解体工事業の技術者要件としては基本的に対象外と考えた方が安全です。

また、資格があれば必ず採用されるわけではありません。
求人票では、資格手当、現場代理人手当、主任技術者・監理技術者として任される範囲まで確認してください。

ゼネコンの現場監督経験は解体工事でも求められている

ゼネコンの現場監督経験がある方は、解体工事においても貴重な人材として求められています。
現場の状況変化を読み取り、工程・安全・品質の管理はもちろん、複雑な関係者調整までを同時並行で進めてきた経験が、解体工事でも活きるからです。


また、解体業界において「施工管理技士」の資格を持つ人材が不足している背景もあって、即戦力として活躍が期待されています。

工程、安全、品質を管理してきた経験は解体工事でも重宝される

国土交通省の監理技術者制度に関する通知では、主任技術者と監理技術者の職務が示されています。
具体的には、施工計画、工程管理、品質管理、その他技術上の管理、施工に従事する者への技術上の指導監督です。
これは新築、改修、解体のどれでも施工管理の中核になります。

引用元: 国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル関連通知」

解体工事で特に活きるのは、次のような経験です。

  • 発注者、設計者、協力会社の間で調整してきた経験
  • 工程表と実際の進み具合を照合してきた経験
  • 搬入、搬出、仮設、足場の動線を見てきた経験
  • 朝礼やKY活動で危険ポイントを共有してきた経験
  • 騒音、振動、粉じん、車両出入りへの苦情対応経験

近隣対応と搬出調整では現場を回す力が問われる

解体工事では、近隣対応と搬出調整の比重が大きくなります。

ここで評価されるのは、職人の配置や重機の稼働計画、ダンプの配車、そして産業廃棄物(以下、産廃)の搬出ルート確保まで、現場全体の流れを俯瞰してコントロールしてきた経験です。

建物解体では、畳、建具、キッチン設備、断熱材、瓦、窓ガラス、サッシなどを先に外すことがあります。その後、木材、金属、石膏ボード、コンクリートなどを分別しながら搬出します。

重機解体では、油圧ショベルやアタッチメントを使います。
圧砕機、カッター、フォークなどで躯体や廃材を扱います。

この流れでは、職人、重機、搬出車両、産廃の動きが同じ現場で重なります。
施工管理者の1日の判断が、現場の安全確認や原価管理だけでなく、近隣住民からの騒音・粉じんに関する相談への対応に直結します。

ベテランの記録、伝達、調整力も評価される

解体現場では、朝に作業内容と注意点を共有します。
その日の解体範囲、水撒き(散水)、分別、搬出の順番をそろえてから動きます。

新人や若手がいる現場では、写真撮影、伝達事項の連絡、日報、翌日の予定確認などの補助業務も発生します。
ゼネコン経験者や50代以降のベテラン施工技師は、こうした日々の記録や伝達業務を通じて、事故の芽を摘み、工程の遅れを防ぐ勘所を押さえている点が大きな強みです。

「どの現場で、何を見て、誰と調整し、どんな損失を防いだか」を具体的に説明できる人は、解体会社側も採用後の活躍をイメージしやすく、好条件での採用に繋がりやすくなります。

ゼネコン等での施工管理から解体工事へ転職する前に知るべき違い

転職前に知るべき違いは、解体工事では事前調査、分別、法対応、近隣対応が工程に深く関わることです。

建築施工管理の経験者でも、解体工事へ移るなら新たに学んでいくべきこともあります。

以下では、建築・土木の現場と解体現場での大きな違いについて解説します。

解体現場特有の作業の流れ

解体工事では、手壊し、分別、水撒き(散水)、養生、搬出を順番どおりに進める理解が欠かせません。

手壊しは、重機解体の前に設備や内装材を外して分別する工程です。
ここを雑に進めると、後工程の安全性低下や産廃処理費用の増加を招き、さらには近隣住民とのトラブルに発展する恐れがあります。

アスベスト、建設リサイクル法、産廃管理の基本

解体工事では、アスベストの事前調査、建設リサイクル法に基づく届け出、産廃の適切な処理ルートの確保が重要になります。

建設リサイクル法では届出対象工事の基準があり、建築物の解体では床面積の合計80平方メートル以上が届出対象です。(特定建設資材が使われている構造物で、一定規模以上の工事の場合)
届出の対象工事である場合は、工事着手7日前までの届出が必要です。

引用元: 国土交通省「建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です」

アスベストについては、解体・改修作業に係る部分のすべての材料を対象に、石綿含有の有無を事前調査する必要があります。
建築物の事前調査は2023年10月から資格者による実施が必要とされており、工作物についても2026年1月1日以降着工の工事から、資格者による事前調査が必要です。
一定規模以上の解体・改修工事では、事前調査結果の電子報告も必要になります。

産廃については、元請業者が処理業者を適切に選定し、委託契約、マニフェストまたは電子マニフェスト、処理記録の保存まで含めて管理することが重要です。


引用元: 石綿総合情報ポータルサイト「工作物石綿事前調査者」

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  • 解体業は資格がなくても働ける。未経験者が最初に知っておきたいこと

施工管理技士が解体業へ転職した場合の収入と待遇

解体業界への転職では、平均年収といった目先の条件だけでなく、入社後に任される役割や担当範囲、さらには雇用形態や定年後の再雇用制度といった「長期的な働き方」も含めて総合的に判断することが大切です。

ゼネコンや建設会社で施工管理を長く担ってきた人ほど、転職によって年収や待遇がどう変わるのか不安を感じやすいものです。
特に、役職定年、早期退職、定年後の再雇用を見据える時期であれば、額面の給与だけでなく、仕事内容や働き方の負担まで確認する必要があります。

必ずしも収入アップにつながるとは限らない

厚生労働省の職業情報提供サイト job tag では、建築・土木の施工管理職の賃金が600万円台でした。
解体施工管理職を切り出したデータがなかったため、参考程度に解体工のデータを以下にまとめています。

職業賃金・年収ハローワーク求人賃金(月額)
解体工414.5万円28.7万円
建築施工管理技術者679.1万円33.3万円
土木施工管理技術者625万円34.8万円

引用元: 厚生労働省 job tag「解体工」

引用元: 厚生労働省 job tag「建築施工管理技術者」

引用元: 厚生労働省 job tag「土木施工管理技術者」

決して、解体業界の給与水準が高いわけではないので、解体施工管理技士への転職が給与アップにつながるとは限りません。
実際の待遇は、保有資格や経験値、前職の給与水準も含めて判断されます。

ただし現在、解体業界では施工管理技士不足の状況にあるため、実力や経験次第でより高い収入を実現しやすいタイミングです。

求人サイトを見てみると、月収30万円代の求人から80万円代の募集までありました。

大手ゼネコン出身、50代のベテラン1級建築施工管理技士であれば、月収70万円〜80万円も現実的な数字として見られます。

ワークライフバランスに優れた求人が多い

解体施工管理の求人を見てみると、ワークライフバランスの良さを強調するものが多く確認できました。

この理由としては、建築工事に比べて「スケジュールの急な変更が少ない」「引渡し後のアフターフォローが少ない」「書類作成などの事務作業が比較的少ない」といった特徴があるためです。

残業が少なく、しっかりと休日を確保できる労働スタイルが期待できます。

解体工事の施工管理求人を見るときの3つのポイント

解体工事の施工管理求人を見るときは、年収額だけで判断するのではなく、ゼネコンでの経験や資格がどのような役割として評価されるかを確認することが大切です。

同じ「施工管理」の求人でも、働き方は大きく変わります。
特に50代以降のセカンドキャリアでは、給与の高さだけでなく、これまでの経験を無理なく活かせる環境かどうかを見極めることが重要です。

以下では、施工管理求人を見るときの3つのポイントを紹介します。

資格や経験が給与に反映されるか

基本給だけでなく、資格手当、現場代理人手当、役職手当、賞与の有無まで確認しましょう。
資格やゼネコンでの管理経験が、どのような役割として給与に反映されるかが重要です。

たとえば、以下のような点を経験と照らし合わせて確認していきましょう。

  • 資格手当があるか
  • 現場代理人や主任技術者としての手当があるか
  • 大規模解体工事の管理経験者を評価しているか
  • ゼネコン出身者や建築施工管理経験者を歓迎しているか
  • 若手への指導や現場全体の調整役を期待されているか

解体工事の施工管理では、ゼネコンで長年現場を管理してきた経験が給与や役割に大きく反映されます。

任される現場規模と管理範囲が合っているか

解体工事といっても、木造住宅の解体から、ビルや商業施設などの大規模解体まで、現場の規模はさまざまです。

ゼネコンでの施工管理経験を活かすなら、どのような現場を任されるのかを確認しておくことが大切です。

特に見ておきたいのは、以下のような点です。

  • 担当する工事の規模
  • 木造、鉄骨造、RC造などの構造
  • 元請工事か、下請工事か
  • 常駐管理か、複数現場を回る巡回型か
  • 工程管理、安全管理、近隣対応のどこまでを担当するか

大規模な解体工事では、現場全体を見ながら工程の遅れや危険を早めに察知する力が求められます。
ゼネコンで現場監督や施工管理を経験してきた人にとって、強みを発揮しやすい部分です。

一方で、担当範囲が広すぎる求人や、複数現場を一人で抱える求人では、想定以上に負担が大きくなることもあります。
年収だけでなく、どの範囲まで任されるのかを確認することが、無理のない転職につながります。

無理なく続けられる働き方か

50代以降のセカンドキャリアでは、「長く続けられるか」という視点も欠かせません。

解体工事の施工管理求人を見るときは、給与だけでなく、休日、残業の有無や現場までの移動距離の長短も確認しましょう。

建設業では、2024年4月から時間外労働の上限規制が原則適用されています。

引用元: 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」

ただし、制度上の上限規制があるからといって、すべての会社で働き方が同じとは限りません。
実際の残業時間、休日出勤の頻度、振替休日の取りやすさは、会社や現場によって差があります。

応募前には、以下のような点を求人票や面談で確認しておきましょう。

  • 定年後の再雇用や契約更新の条件
  • 月の平均残業時間
  • 休日出勤の有無
  • 現場までの移動距離
  • 直行直帰の可否
  • 社用車の有無

まとめ

ゼネコン等で施工管理を経験してきた人にとって、解体工事業界はセカンドキャリアの有力な選択肢になります。

解体工事は、ただ建物を壊す仕事ではありません。

工程を読み、安全を守り、協力会社をまとめ、近隣対応や搬出調整まで含めて現場を動かす仕事です。

そのため、建築施工管理や土木施工管理で培ってきた経験は、解体工事の現場でも十分に活かせます。

特に、以下のような経験を持つ人は、解体工事の施工管理職でも評価されやすいでしょう。

  • 工程管理や安全管理を長年担当してきた
  • 協力会社や職人との調整を行ってきた
  • 施主や近隣住民への説明対応を経験してきた
  • 1級・2級建築施工管理技士などの資格を持っている
  • 若手技術者への指導や現場全体の判断ができる

もちろん、解体工事の施工管理へ転職すれば、必ず収入が上がるわけではありません。

仕事内容や待遇は、会社によって大きく異なります。

大切なのは、年収だけで判断するのではなく、自分の経験や資格が適切に評価され、理想に近いワークライフバランスであるかを見極めることです。

セカンドキャリアの選択肢を広げたい方は、解体キャリアの求人検索で、自分の経験が活かせる求人を確認してみましょう。

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この記事を書いた人

中小企業診断士 勅使河原孝則

解体キャリア編集委員。
中小企業診断士として解体・産業廃棄物処理事業者を中心に、経営相談、採用支援、WEBマーケティングの支援を5年間実施しています。
経営支援を行うなかで、空き家問題による解体工事の需要が増える中、人手が圧倒的に足りないという状況を打破するために解体キャリアを立ち上げ。
解体業界の実情や魅力を紹介することで、業界の人材不足を改善するお手伝いをさせていただいております。

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